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通勤費の非課税限度額

通勤手当といえば、所得税がかからないものと思い込みがちですが、実は一定金額(非課税限度額)を超えると「給与所得」として所得税が課されることになっています。
↓詳細は以下の国税庁サイトをご覧ください。↓
http://www.nta.go.jp/gensen/tsukin/index.htm

この非課税限度額に関する政令が平成26年10月20日に改正され、通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
対象となる通勤手当は、自動車や自転車などの交通用具を使用して通勤する人に支給する通勤手当で、平成26年4月以後支払われるべきものです。

従って、以下の通勤手当については、改正後の非課税規定は適用されず、改正前の非課税規定が適用されることになります。
①平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当
②平成26年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で4月1日以後に支払われるもの
③①または②の通勤手当の差額として追加支給されるもの

今回の改正は中途半端な時期に施行されましたので、適用時期はいつからなのか?4月以降に徴収しすぎた源泉所得税はどうすればよいか?など混乱が生じています。
しかし、難しく考える必要はありません。
4月以降に給与所得として源泉徴収しすぎた金額があれば、年末調整で精算すればよいだけの話です。
なお、年末に在籍していない人は確定申告で精算することになるようです。


http://www.shinwa-ac.net/
http://shinwa-souzoku.net/

期限日

本日3月17日が、平成25年分の所得税の確定申告の期限となっています。
また、振替納税を利用されている方を除いて、納付期限も本日です。
(ちなみに贈与税の申告・納付期限も本日です。)

弊事務所でも、先週末まで確定申告業務に追われる毎日でしたが、ようやく一息ついたところです。
ただ、今月下旬から来月初旬にかけて、やらなければならないイベントがあり、個人的には落ち着かない日々を送っています。

確定申告業務については業務が集中しますので、計画的に準備をしているつもりなのですが、なかなか予定通りには行かず、終わってみれば結局ギリギリまでかかってしまいました。
スタッフにも残業や毎週休日出勤をしてもらったりと負担をかけてしまいました。
何とかもう少し工夫して業務ができないものかと、毎年同じようなことを考えているような気がします。

来年こそは!と思う反面、どうしようもない要因もあり、来年も同じようなことを言っているような気がします。
・お客様の都合により資料や書類が集まらない。
・1月2月は年始を含め、平日が少ない。
・12月決算法人が多いため、1月中は身動きが取れない。
残念ながら、すべて「言い訳」です。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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特定支出控除

平成25年分の所得税の申告より、給与所得者の必要経費ともいうべき「特定支出控除」が拡充されています。

特定支出控除とは、以下の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超える場合(給与収入1500万円超については125万円を超えた場合)、所得税の申告により、その超える金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができるという制度です。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1415.htm

特定支出とは以下の通りですが、給与の支払者の証明書が必要となります。
(国税庁サイトより抜粋)
(1)通勤費
一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
(2)転居費
転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
(3)研修費
職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
(4)資格取得費
職務に直接必要な資格を取得するための支出
(5)帰宅旅費
単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
(6)勤務必要経費(①②③の合計で65万円が限度)
①図書費
書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用
②衣服費
制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用
③交際費等
交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出

特に、(6)②については、節税などを特集した無責任な雑誌などで大きく採り上げられています。
その多くで「スーツ代も必要経費で落とせる」というような表現がなされています。

確かに、スーツ着用が義務または慣例となっているような会社の場合、スーツの領収証と会社の証明書があれば「特定支出」とすることはできると思いますが、「必要経費で落とせる」という表現は正しくないように思います。
そもそも、(6)勤務必要経費は65万円が上限となっているのに加えて、特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超えない場合は「特定支出控除」はないのです。

大騒ぎしているようですが、「特定支出控除」が適用できる人は意外に少ないのかもしれません。

税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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有給の買取り

従業員の方が退職されるときに、経営者から次のような質問を受けることがあります。
「有給休暇を買い取ってあげてもいいかな?」と

会社が有給休暇を買取ることは原則として禁止されています。
しかし、例外として、退職によって利用できなかった有給休暇を買取ることは認められているようです。
従って、上記の質問の答えは「買取りは可能です。」ということになります。

それでは、その買取り代金にはどのような課税がなされるのでしょうか?
・給与所得?
・退職所得?
・一時所得?

まず、有給休暇はその期間働いたものとして対価が支払われるものですので、労働の対価に該当します。
そうすると、「給与所得」か「退職所得」に絞られます。
次に、所得税基本通達30-1では「退職手当等とは、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいう。」との記載がありますので、退職しなければ支払われなかった「有給買取り代金」は「退職所得」に該当することになります。

従って、退職金と合わせて源泉徴収の処理が必要となります。
なお、解雇予告手当も「退職所得」に該当しますのでご注意ください。(所得税基本通達30-5)


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NISA

平成26年1月より、少額投資非課税制度(NISA)が始まります。
証券会社に口座をお持ちの方には、証券会社より同制度への勧誘の書類が届き始めているかと思います。

NISAについては、すでに証券会社や証券業協会のサイトで多くの情報がありますので、制度の詳細については省略しますが、平成26年から平成35年までの10年間、毎年100万円までの新規投資から得られる譲渡益や配当を、投資の年から最長5年間非課税にできるという制度です。

この制度は、イギリスのISA(Individual Savings Account)を参考にして、「貯蓄から投資へ」の流れを促進するために創設されたといわれています。
しかし、私はそうは思いません。
証券優遇税制(一律10%課税)の終了により、平成26年より本則課税(一律20%課税)になるのですが、NISAはそれに対する「お詫び」のような制度であり、財務省が考えそうなケチな制度です。
わずか年間100万円で素人にどうしろというのでしょうか?

その他にも、NISAには以下のデメリットがあります。
・NISA口座の損失は特定口座や一般口座の利益と損益通算できない。
・NISA口座の損失は翌年以降に繰越控除ができない。

極めてケチな制度ではありますが、投資の年から5年間の非課税期間に売却すれば税金はかかりませんので、100万円以内で「これだ!」という銘柄があれば利用してもよいのではないでしょうか?


税理士法人信和綜合会計事務所
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源泉納付書(Ⅱ)

先週のコラムで、源泉所得税の納付書について採り上げました。
信和綜合会計事務所でも先月下旬より源泉納付書の作成を始めていますが、一部のお客様に少し困ったことが生じていることに気づきました。

困ったことというのは、「復興特別所得税」の源泉徴収事務です。
御承知の通り、復興特別所得税は平成25年1月から課されているのですが、それが徴収されていないケースがあるのです。

といっても、毎月の給料や毎月発生する税理士報酬などは正しく徴収されています。
正しく徴収されていないのは、臨時的に発生する司法書士報酬等に課される復興特別所得税が多いように思います。

報酬等を支払う事業者には源泉徴収義務がありますので、実際に正しい源泉徴収税額を徴収できていない場合であっても、正しい税額を納付しなければなりません。
徴収不足に気づいた場合は、先方に不足額を返金してもらうことが原則ですが、金額的に多額ではない場合には、実務上は徴収コストを考慮して、事業者が不足税額を負担することもやむを得ないのではないかと思います。


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源泉所得税の納付書

源泉所得税の納期の特例の適用を受けている事業者の場合、上半期(1月から6月まで)の源泉所得税の納期が7/10と迫っていることもあり、毎年6月下旬になると、お客様の源泉所得税の納付書をチェックする機会が多くなっています。

源泉所得税の納期の特例についてはこちら↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/106.html

私どもがチェックする内容は概ね以下の通りです。
①源泉所得税の金額は正しく計算されているか?
②賞与や退職金の源泉所得税も集計されているか?
③支給人員数はその期間の延べ人数で記載されているか?
④税理士や司法書士などの個人士業に対する源泉所得税は集計されているか?
⑤支給金額や源泉徴収税額(預り金)については会計帳簿と整合しているか?

その中でも、私は⑤を重視しています。
集計したつもりが正しく集計できていないということは比較的よくあることです。
給与台帳や請求書を確認するだけでなく、会計帳簿に計上されている金額を確認することにより、単純な集計もれのリスクを下げることができると思います。

特に、司法書士や弁理士の報酬に課される源泉所得税については注意する必要があります。
日々支払いがあるものについては忘れることは少ないと思いますが、毎月支払いがないものや一回きりの取引についてはどうしても忘れがちになります。

源泉所得税は納期限から1日遅れただけで、原則として加算税がかかることになっていますので、十分注意して納付書を作成することが重要です。


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外れ馬券訴訟

先日、大阪地裁で「外れ馬券訴訟」の判決がありました。
これまでの税務実務を覆すような予想外の判決でした。

この裁判は、競馬の払戻金について無申告であった人に対する刑事事件だったのですが、所得税の計算において、「外れ馬券」の購入費用が経費として認められるかが注目されていました。

これまでの実務では、競馬の払戻金は「一時所得」として課税されることになっていました。
簡単な例を挙げます。
第1レース:5点買い(10万円×5=50万円支出)、200万円の払戻金
第2レース:5点買い(10万円×5=50万円支出)、外れ
第3レース:5点買い(20万円×5=100万円支出)、外れ
この場合の一時所得は、払戻金200万円から当たり馬券購入費用10万円を控除し、さらに特別控除額50万円を控除した140万円となります。
手元には1円も残っていないのに。。。
第2・第3レースの購入費用150万円はもちろん、第1レースの残りの4点の購入費用40万円も控除できなかったのです。

それが今回、反復継続的に大量の馬券を購入しているような場合には、競馬の払戻金は「雑所得」に該当し、「外れ馬券」の購入費用も必要経費として控除できるとの判決が出たのです。
上記の設例の場合、「外れ馬券」は第1レースから第3レースまでのすべての馬券を意味しますので、その購入費用200万円全額が必要経費として雑所得の計算上控除されることになります。
そうなると、雑所得の金額は、払戻金200万円から馬券購入費用200万円全額を控除して、0円となってしまいます。

念のため、誤解のないように改めて言いますが、現段階では競馬の払戻金の課税について、今までにない解釈の判決が出たにすぎません。
検察側が上告すれば、高裁や最高裁で判決が覆る可能性があります。
また、この判決で確定した場合でも、上記の判断がすべての競馬ファンに適用されるわけではありません。
娯楽として競馬を楽しんでおられる方の場合、今までと変わらず、払戻金は「一時所得」となることにご留意ください。

報道によると、この被告は資産運用として競馬に取り組んでおり、独自に競馬予想ソフトの改良までしていたようです。
多額の脱税をしたことに対する罪は重いですが、その情熱を何か別の方向に向ければ、きっと成功される方ではないかと思います。

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医療費控除(Ⅲ)

歯科矯正の治療費が所得税の「医療費控除」の対象となるかについて聞かれることがあります。

一般的には、子供の歯科矯正は対象となり、大人の歯科矯正は対象とならないと考えられているようです。
しかし、これは正確ではありません。

子供の場合、正常な発育のために噛み合わせを矯正することが殆どであり、医療費控除の対象となる「治療」であることに議論の余地はありません。
これに対し、大人の場合は美容のために矯正することが多いことから、医療費控除の対象となる「治療」には該当しないケースが多いだけです。

大人が歯科矯正をする場合でも、咀嚼障害による弊害を解消するため、どうしても医学的に矯正という「治療」が必要であると専門医が判断した場合には、医療費控除の対象となりうるものと思います。

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年末調整書類の保存

年末も近づき、給与所得者の年末調整の時期になっています。
毎年この時期になると同じような質問を受けることがあります。

担当者:「年末調整の書類はいつまでに税務署に出すのですか?」
原:「年末調整の書類とは『給与所得者の扶養控除等申告書』などのことですか?」
担当者:「はい、そうです。」
原:「それなら税務署に提出する必要はありません。」
担当者:「えっ?書類の左上に○○税務署宛てとなっていますよ。」
原:「確かに。でも国税庁の通達により会社で保管することになっているのです。」
担当者:「そうなんですか。」

全国の給与所得者は何千万人にも及びます。そして、毎年その人たちの多くは年末調整の書類を作成します。
おそらく、税務当局も全国の給与所得者の年末調整書類を送付されても、多すぎて管理しきれないのでしょう。
それ故、給与の支払者が年末調整の書類を保管することになっているようです。

ただ、これまでは年末調整の書類の保管期間についての定めはなかったようです。
恥ずかしながら私もよく知りませんでした。(源泉所得税について税務署が更正できる期間は保存しておけばよいのだろうと、漠然と考えておりました。)

平成24年度の税制改正により、給与の支払者は提出を受けた書類をその書類の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保存することになりました。
この改正が適用されるのは、平成25年1月1日以後に提出すべき書類からとなります。
一般の会社や個人事業者の方の場合、対象となる主な書類は以下の通りです。
・給与所得者の扶養控除等申告書
・給与所得者の配偶者特別控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
・退職所得の受給に関する申告書(年末調整とは関係ありません)

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