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とある税務調査(Ⅲ)

先週、お客様の会社に税務調査がありました。

前回の調査は3年前でしたが、今回も特別国税調査官と上席国税調査官の2名が実地調査に来られました。
当初予定の二日間が一日延長されて三日間となりましたが、特に大きな問題もなく終了しました。

通常の税務調査の場合、上席国税調査官や国税調査官が現場に来ることが多く、問題点があった場合は、税務署に帰って決裁権限のある統括国税調査官に相談することになっています。
そうなると、現場で問題点を決着させることができず、解決までに時間がかかることが多いのが通例です。
税理士としては頭の痛い問題です。
しかし、今回のように、決裁権限のある特別国税調査官が来られている場合は、現場で問題点を決着させることができますので、気分もすっきりします。

ちなみに、税務署の組織は以下のような階層構造となっています。
特別国税調査官と統括国税調査官はいずれも管理者ですが、このうち特別国税調査官は大規模な法人や高額所得者を担当しているようです。
①署長
②副署長
③特別国税調査官(略称:特官)
④統括国税調査官(略称:統官)
⑤上席国税調査官(略称:上席)
⑥国税調査官
⑦事務官

税務署員も公務員ですので、基本的に解雇されることがなくノルマもないと言われている職業ですが、これだけの階級があると、出世欲の強い人はギラギラしているのかもしれません。
最近、そのような調査官を見たことはありませんが。。。


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とある税務調査(Ⅱ)

先日、お客様の会社に税務調査がありました。

そのお客様にとっては5年ぶりの税務調査でしたが、全く気にされていないご様子でした。
それに対し、案の定、私は色々と気をもんでしまうタイプですので、前日は寝つきが悪かったです。
別にやましいことは全くないのですが・・・。

それはさておき、今回の税務調査は2日間の予定でした。

(1日目)
・事業の概況の聴取
・売上、仕入の伝票の流れの把握
・期末日前後の売上・仕入のチェック
(当期の売上とすべきものがもれていないか?来期の仕入とすべきものが当期に計上されていないか?)

(2日目)
・機械設備の購入契約書・納品日の確認
(減価償却は正しく計算されているか?特別償却額は適正か?)
・期末日直前に計上された経費のチェック
(当期の経費として計上すべきものか?)
・年末調整のチェック

調査は順調に進み、予定より早く2日目の昼過ぎには調査は終了しました。
予想通り、特に大きな問題がなかったことは良かったのですが、本音を言いますと、1日半も拘束されるのは辛いです。
「日程○○」
諸般の事情により、これ以上は書きません。


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馬鹿にできない印紙税

税務調査官「子会社との取引はどういう方式ですか?」
経理担当者「請負契約です。」
税務調査官「契約書は作成されていますか?」
経理担当者「はい。これが請負契約書です。」
税務調査官「内容には問題ありませんが、印紙をお忘れですね?」
経理担当者「えっ!?」

税務調査で、比較的よくある場面です。
残念ながら、印紙を貼るべき書類に貼っていなかったのですから、言い訳はできません。
まるで「現行犯」のようなものです。

印紙税は、「請負契約書」に限らず、印紙税法で定められた文書について課税されます。
これを「課税文書」と呼びます。
↓課税文書はこちら↓
http://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7140.htm
http://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7141.htm
これらの課税文書に収入印紙を貼り付けた上で、印鑑または署名で消印することにより、印紙税の納付が完了することになります。
つまり、収入印紙の貼り忘れだけでなく、消印もれの場合も、印紙税の納付がなされていないことになります。

印紙税の納付がなされていない場合には、大きなペナルティが課されます。
税務調査により印紙税の納付もれを指摘された場合、本来納付すべき印紙税額の3倍もの過怠税が課されることがあります。
さらに、この過怠税は法人税・所得税の所得計算において損金や必要経費に算入されませんので、まさに「踏んだり蹴ったり」です。

日頃から印紙の貼り忘れ・消印もれに注意することも大切ですが、少なくとも税務調査の前には、閲覧を求められることが予想される書類について、十分にチェックしておくべきかと思います。


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見解の相違

「税務当局との間に見解の相違があったが、すでに修正申告に応じた。」
有名企業の申告漏れ報道での会社側のお決まりのコメントです。

でも、内容をよく聞いてみると、重加算税が課せられているケースがあります。
そんな時、「ちょっと待ってよ!」と言いたくなります。

その前に、重加算税の説明をしておきましょう。
税額を少なく申告したことが判明した場合、罰金的に課される税金を「加算税」といいます。
このうち、税額計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装したものと認定された場合など、悪質な事案に課されるのが「重加算税」で、それ以外の場合に課されるのが「過少申告加算税」なのです。
ちなみに、税率ですが、過少申告加算税が10%(一定額を超える場合は15%)なのに対して、重加算税は原則35%と懲罰的に高くなっています。

確かに、税務にはシロ(○)かクロ(×)かで見解の分かれるグレーゾーンというものがあります。
しかし、重加算税が課されている案件というのは、売上除外や架空経費と同レベルの悪質なものであることが多く、とても「見解の相違」で片付ける問題ではないのです。

いずれにしても、取材に対するコメントはもう少し工夫したほうが良いかもしれません。
それ以前に、自社の見解に自信があるのであれば、修正申告に応じるのはおかしいですね。

(参考)
法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/000703-2/01.htm


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税務調査に「おみやげ」は必要か?

有名な都市伝説があります。
「税務調査を受けるときには、調査官におみやげを用意したほうがよい。」
ここで言う「おみやげ」とは、わざと誤った処理をして税金をいくらか少なく計算しておき、それを調査官に見つけてもらうことにより、それで満足して帰ってもらうことを指します。

この都市伝説は、以下の誤解から生まれたものと考えられます。
①調査官にも、一日当たりの追徴税額のノルマがあるだろう。
②調査官は、何が何でも追徴してやろうと思って調査に来ているのだろう。

特に、①については多くの人が誤解しています。
調査官は、統括官(上司)に一日当たり一定額以上の追徴税額を求められているわけではありません。
調査官は統括官とともに、税務署に提出された決算申告書類から、事前に期間比較や比率分析などを行い、異常な項目を絞っていくことにより、実地調査で具体的に調査する項目を決定します。
例えば、前期以前と比較して修繕費や雑費が大幅に増加している場合には、その内訳・内容について調査することを事前に決定されるのです。
つまり、調査官には、決められた項目について、もれなく調査してくることが求められるのです。

したがって、「おみやげ」を用意しているか否かにかかわらず、調査官はあらかじめ決められた項目をもれなく見ることになりますので、「おみやげ」には全く意味がないのです。


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とある税務調査(事後処理編)

税務調査は実地調査で終わりではありません。
時には交渉を伴う「事後処理」が残っています。

今回のF社の調査の場合、実地調査(3月21日)から土日をはさんで2日後の3月25日に税務署から連絡がありました。
「特に、修正すべき問題点はありません。」と
実地調査終了時には、ある程度想定していましたが、正直ほっとしました。
その後、F社社長に連絡して無事終了しました。

ただ、実地調査の過程で問題点が判明した場合などは、そう簡単にはいきません。
通常の場合、実地調査の日から1週間から2週間後に、税務署に来てほしい旨の連絡があります。
指定された日に納税者の方と税理士が税務署に訪問すると、担当の統括官と調査官は問題点についての説明を行い、修正申告を求めてきます。
修正申告とは、最初に申告した税額は間違いで、正しい税額に修正して申告しますという手続です。

ここで重要なのは、税務署の言われるがままに修正申告をすべきではないということです。
納得できない項目については、税理士は会社側の立場に立った見解を主張し、税務署側と議論して理解を求めます。
その結果、お互いに納得したうえで、修正申告して、追加納税することになります。

しかし、どうしても納得できない項目については、修正申告に応じるべきではありません。
この場合、税務署は「更正」の決定をしてくることがありますが、納税者側には税務署に「異議申立」をしたり、国税不服審判所に「審査請求」をすることができます。
それでもダメなら、裁判所で争うことになります。
ただ、時間とコストを考えますと、そこまで争われる事例は少ないのが現実です。

前々回のコラムでも書きましたが、税務調査の結果は、ほぼ最初に申告した時点で決まります。
「備えあれば憂いなし。」
税務調査の対策はこれに尽きます。


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とある税務調査(実地調査編)

3月21日9時30分頃
F社到着。
税務調査は通常10時からなのですが、会社には少し早めに行くことにしています。

ところで、前日の20日の夜は寝つきが悪く、当日の寝覚めも悪かったです。
特にやましい事は何もなく、心配することもないのですが、無意識のうちに気にしているようです。
何度経験しても、税務調査というのは好きにはなれそうもありません。
税理士の私ですら気になるのですから、初めて税務調査を受けられる納税者の方はかなり緊張されているはず。
と思って、F社社長とお話をすると、まったく気にしていないご様子。
私の取り越し苦労でした。

10時過ぎ
税務署の上席調査官が到着。
簡単な挨拶の後、概況聴取に入ります。
具体的には、事業の内容・主要取引先・取引条件・市場の状況などを、世間話をまじえて聞かれます。
これにより、調査会社の収益構造や事業の特殊性を把握し、その後の帳簿等の調査に役立たせるのです。
ちなみに、この概況聴取が巧みな調査官ほど有能だと言われています。
また、新設法人の場合、事業の概況だけでなく、代表者の経歴(前職)や事業を起こすに至った経緯なども尋ねられることがあります。
このほか、作成・保管されている帳簿等の種類や担当者なども聴取されます。

その後、帳簿等の確認に移ります。
具体的な項目については、守秘義務がありますので書くことはできませんが、今回の主な調査ポイントは以下の4点でした。
①売上の期間帰属の確認
当期に売上計上すべきものが来期に回されていないか?
②期末直前の費用の内容確認
期末直前に計上された費用項目は、来期に計上すべきものでないか?
③出張経費の内容確認
複数回の海外出張について、出張旅費・滞在費などの精算は適切に行われているか?
また、消費税の処理は正しくなされているか?
④代表者個人口座の入金内容の確認
代表者の個人口座に会社の売上等として計上すべき入金はないか?

上記の点については、特に問題点の指摘はありませんでした。
問題点を指摘された場合は、納税者側の見解を説明するのですが、今回は特に議論となる問題点はなかったようです。
また、その他の調査項目についても、大きな問題はなく、16時頃に調査は終了しました。
その後、調査官は、「署に帰って上司(統括官)に報告し、結果を後日連絡します。」との言葉を残して帰られました。

全体として、的を射た意見を言われる調査官でした。
税務調査といっても、ネガティブに考えすぎないのが良いのかもしれません。


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とある税務調査(事前準備編)

今回は、税務調査の日程が決まった後の「事前準備」を採り上げたいと思います。

なぜ税務調査の「事前準備」が必要なのか?とよく尋ねられます。

例えば、
・過去の書類の不備を訂正するため。
・過去にさかのぼってあるべき書類を作成するため。
・想定質問に対して、納税者に都合の良い回答を準備するため。
などをお考えの方もいらっしゃっるでしょう。

しかし、残念ながら、上記のいずれでもありません。
税務調査の事前準備は、あらぬ疑いをかけられることを避け、調査をスムーズに進行させるために行うものなのです。
決して、過去の過ちを取り繕ったり、言い訳を考えるために行うものではないのです。

具体例で考えたほうが良いでしょう。
F社の場合、3月21日の税務調査に先立ち、3月9日に会社に訪問して、以下の準備を行いました。
①調査対象期間の帳簿書類(総勘定元帳・補助元帳)は保管されているかの確認
②証憑書類(領収証・請求書・契約書・輸出許可証・インボイスなど)は整理されているかの確認
③銀行関係書類(普通預金通帳・当座照合表など)の保管状況の確認
④株主総会議事録・取締役会議事録の作成・保管状況の確認
⑤金庫や机の中に不要なものを保管していないかの確認
⑥想定される質問に対して、嘘をつかず事実を正しく整然と説明できるかの確認
など。

F社の場合は、特に上記事項に関して不備はなく、準備というよりも確認作業でした。
もうお気づきかと思います。
上記の準備は、普段から行っておくべき事項なのです。
やましい事がなく、日々やるべきことを積み上げていれば、税務調査の事前準備なんて必要ないのかも知れません。


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とある税務調査(連絡編)

確定申告終了直後の3月21日に税務調査がありました。
いくつかの指摘事項はありましたが、修正申告を要求されることもなく、無事終了することができました。
今回は、税務調査の連絡から日程確定までのプロセスを思い出してみます。

2月上旬の朝
兵庫県の某税務署から電話
税務署「○○税務署の△△ですが、F社の税務調査に伺いたいのですが」
原  「わかりました、訪問はいつですか?」
税務署「2月15日前後を予定しています。」
原  「1日だけですか?」
税務署「今のところ、その予定です。」
原  「F社に都合を確認します。」

F社に確認後、折り返しの電話
原  「その日を含めて、社長は海外出張のためしばらく日本にはいないんですが・・・」
税務署「いつごろ社長はいつごろお戻りですか?」
原  「2月末までに帰国する予定です。」
税務署「それでは3月以降にまた連絡します。」
原  「いえ、来月のスケジュールの都合上、先に訪問日を決めていただきたいのですが。」
税務署「いつ頃がよろしいですか?」
原  「私としては、3月21日にしていただきたいのですが、ご都合はいかがですか?」
税務署「いいですよ。」
原  「それでは、F社に確認後、再度連絡します。」
税務署「お願いします。」

F社に日程を確認した後、再度税務署に連絡
原  「それでは3月21日の10:00で結構です。」
税務署「訪問場所は、申告書に書かれている納税地でいいですか?」
原  「はい。当日は何人でお越しですか?」
税務署「私一人です。」
原  「調査の対象は何年分ですか?」
税務署「F社の開業後初めての調査ですので、全部ありますよね?」
原  「はい。もちろんあります。それから、何か特別に用意しておく資料はありますか?」
税務署「特にありません。」
原  「それでは、当日よろしくお願いします。」
税務署「よろしくお願いします。」

これが、一般的な税務調査の日程が決定するまでのやりとりです。
基本的に、税務調査は事前に連絡があります。
それも、顧問税理士に連絡されることが多く、納税者の方に直接連絡があることは少ないと思います。
(もちろん、税務調査の種類によっては、例外もあります。)

また、日程についても調整することができます。
先約がある場合などで、調整がつかない場合は、日程を代えてもらうこともできます。


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