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2014衆院選

ご承知のとおり、昨日、衆議院選挙の投開票が行われました。
予想通りの結果で、与党が圧勝したわけですが、しらけムードに終始した選挙戦だったように思います。

政治に関しては、いろいろな人が様々な考えをお持ちだと思いますので、与党の圧勝に関するコメントは差し控えます。
ただし、消費税に関しては、税理士としてどうしても一言いわねばなりません。

平成29年4月からの税率引き上げは致し方ないと思います。
しかし、軽減税率はいけません。
一定の品目について軽減税率を導入することを目指すことで与党間で合意しているようですが、実務的には大きな障害があります。

わが国では、消費税の税額控除の計算で「帳簿方式」を採用しているのですが、複数税率にする場合は「インボイス方式」を採用しなければ正確な税額計算が難しいのです。
平成元年の消費税導入以来、「帳簿方式」しか知らないわが国の事業者すべてに、これからわずか2年あまりで「インボイス方式」を普及させることはできるのでしょうか?

私は無理だと思います。

↓財務省によるインボイス方式と帳簿方式の説明↓
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/401.htm


http://www.shinwa-ac.net/
http://shinwa-souzoku.net/

簡易課税の経過措置

平成26年の税制改正で、消費税の簡易課税制度が見直されましたが、これについては経過措置が設けられています。

消費税の納付税額は、「売上により預かった消費税額」から「支払った消費税額(仕入控除税額)」を差し引いて計算します。
しかし、前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際に支払った消費税額を計算することなく、売上の一定割合(みなし仕入率)の仕入があったものとみなして「仕入控除税額」を計算することができます。
これを「簡易課税制度」といいます。
<みなし仕入率>
・第一種事業(卸売業) 90%
・第二種事業(小売業) 80%
・第三種事業(製造業)70%
・第四種事業(その他事業)60%
・第五種事業(サービス業)50%

平成26年の改正では、この「みなし仕入率」が見直され、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用されることになっています。
改正の内容は以下の二点です。
・第四種事業のうち、金融業及び保険業を第五種事業とする。(みなし仕入率50%)
・第五種事業のうち、不動産業を第六種事業とし、みなし仕入率を40%とする。

ただし、経過措置により、平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間であっても、その届出書に記載した適用開始課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間(簡易課税制度の適用を受けることをやめることができない期間)については、改正前のみなし仕入率が適用されることになりました。

経過措置の規定はわかりにくい表現となっており、多くの誤解が生じそうですが、難しいことを言うつもりはありません。
平成25年3月31日以前にに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者については、経過措置の対象にならないことだけを留意しておけば十分です。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
http://www.shinwa-ac.net/

駆け込み需要(Ⅱ)

よくある会話です。

Tさん:「3月中にできるだけ古い設備を買い替えようと思うのですが。」
原:「何か不都合があるのですか?」
Tさん:「いえ、消費税が上がるので損をしたくないんです。」
原:「別に損はしませんよ。」
Tさん:「でも、3%分多く払うことになるんでしょ!」
原:「御社の場合、消費税は原則課税なので、多く払った分だけ消費税の納税額が減りますので、損はしないんです。」
Tさん:「えっ、う~ん?」

消費税は、お客様や得意先から預かった消費税から、仕入先や業者に支払った消費税を差し引いて、納付税額を計算します。
従って、設備の購入が4月以降となり、支払う消費税が3%増加したとしても、最終的に同額だけ消費税の納付税額が減りますので、「原則課税」の場合は全く影響はありません。

ただし、消費税の免税事業者や簡易課税を選択している事業者の場合は、そうではありません。
一般の消費者の方と同様、増税後は負担が大きくなりますので、買い替え予定の固定資産については3月中に購入した方がよいということになります。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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駆け込み需要

Windows XPのサポートが来月9日で終了することもあり、XP搭載パソコンの買い替えのため、先日デスクトップ1台とノートパソコン1台をDELLに発注しました。
↓DELLが好きな理由はこちら↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/261.html

弊事務所でも最後の1台となっていたXP搭載パソコンも現役を引退することになりました。
調べてみると6年以上も現役で稼働していたことになります。

専門家のなかでも、XP搭載でもウイルス対策等を適切に行っていれば直ちに問題が起きることはなく、買い替えなどする必要はないという人も少なくありません。
また、XPでしか動かない特殊業界用の会計ソフトなどもありましたので、どうするか迷いましたが、目立った故障はないものの老朽化による不安があり、更新することにしました。

ところで、いつもは短期間で納品がある同社ですが、今回はなかなか製品が届きませんでした。
恐らく、消費税増税前に買ってしまおうと考える人が多くて、中国の工場がフル稼働になっているからなのでしょう。

駆け込み需要の反動により、4月1日以降の購買意欲が低下することは間違いなく、今から少し心配しています。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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家賃の経過措置

先日、お客様から質問がありました。
M様:「家賃の消費税のことなんですが」
原:「どうされましたか?」
M様:「昨年の9月頃に、経過措置の適用のための対策をしましたよね」
原:「そうでしたね」
M様:「それがT協会の研修会で、契約に解約の申し入れができる旨の定めがあると、経過措置の適用がないと聞いたのですが?」
原:「それは正しくありません。・・・続く」

以前に、家賃の消費税の経過措置について採り上げたことがありました。
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/399.html
この辺りは誤解の多い部分ですので、再度採り上げたいと思います。

<原則>
平成26年4月分より、住宅以外の家賃については8%の消費税率が適用されます。
家賃は契約で前払となっている場合が多く、平成26年4月分の家賃を平成26年3月に支払うことになっているときは、平成26年3月支払分より8%の消費税率が適用されます。
住宅家賃については従来通り、非課税ですので消費税は課されません。

<経過措置>
平成25年9月30日までに賃貸借契約を締結し、平成26年3月31日以前より継続して平成26年4月1日以降も賃貸借を行っている場合で、契約の内容が次の「①及び②」または「①及び③」の要件を満たしているときは、その契約期間に限り、旧税率5%が適用されます。
(ただし、契約の自動更新や契約対価の変更がなされた場合は、それ以後の期間については旧税率5%の適用はできません。)
①当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること。
②事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。
③契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないこと並びに当該貸付けに係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額(利子又は保険料の額を含む。)の合計額のうちに当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の額の合計額の占める割合が100分の90以上であるように当該契約において定められていること。

要するに、経過措置が適用されるのは、
「①及び②」を満たす場合か、
「①及び③」を満たす場合ということになります。

今回の誤解の原因となった③の要件は、俗に
「解約不能」と「フルペイアウト」といわれる要件です。
契約期間は解約できず、その期間中に支払う賃料の総額がその物件の購入金額の90%を超える契約でないと要件を満たさないことになりますので、通常の不動産賃貸借契約は該当しません。

従って、通常の不動産賃貸借契約の場合は、「①及び②」を満たすかどうかを検討すればよいことになります。
ただし、一般的な不動産賃貸契約書には、「賃料が物価の変動、公租公課の増減、近隣物件の賃料の変動、その他経済情勢の変動によって著しく不相応となったときには、協議の上、賃料を改定することができる」という内容の記載があることが多く、契約書にそのような記載がある場合には、②の要件を満たさないことになります。

消費税の経過措置適用を受ける不動産賃貸借契約は意外に少ないのではないかと思います。

税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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消費税の経過措置

ご承知のとおり、消費税の税率は現行の5%から、平成26年4月1日以降は8%に、平成27年10月1日以降は10%に引き上げられる予定です。
このうち8%への引上げについては、有識者会議などという茶番劇でグズグズしていましたが、来月にも正式決定されるようです。

今回は、平成26年4月1日以後も旧税率が適用される「経過措置」のうち、最も影響が大きいと思われる「資産の貸付に関する経過措置」を採り上げます。

「資産の貸付に関する経過措置」とは、平成25年9月30日までに資産の貸付に関する契約を締結し、平成26年4月1日より前から引き続いて資産の貸付けを行っている場合には、その契約期間中は旧税率5%が適用されるという特例措置です。
ただし、不動産の貸付については、以下の二つを満たす場合に限られます。
・資産の貸付の期間及びその期間中の対価の額が定められていること
・事情の変更その他の理由により対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

しかし、一般的な不動産賃貸契約書には、「賃料が物価の変動、公租公課の増減、近隣物件の賃料の変動、その他経済情勢の変動によって著しく不相応となったときには、協議の上、賃料を改定することができる」という内容の記載があることが多く、契約書にそのような記載がある場合には、上記の要件を満たさないことになります。
従って、どうしてもこの経過措置の適用を受けたいときは、平成25年9月30日までに、賃料の変更を求めることができる旨の記載を排除した賃貸借契約に変更することが必要になります。
不透明な物価変動のリスクを考えると私は慎重に判断すべきかと思いますが・・・。

なお、経過措置を適用する事業者(貸手)は、経過措置の規定を適用する旨を相手方(借手)に対して書面により通知する必要があります。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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消費税率の引き上げ

先週の8月10日に、消費税増税法案が国会で可決・成立しました。

消費税増税は社会保障改革と合わせて行われるはずでしたが、増税だけが決定されてしまいました。
今さら民主党のことを「ほら吹き」と言う必要もありませんが、ここまで来ると「詐欺師」に近いのではないでしょうか?

今回の改正は「税率の引き上げ」に尽きます。
現在の消費税率は5%(地方消費税含む)ですが、平成26年4月1日から8%に、平成27年10月1日から10%に引き上げられることになりました。
実に、平成9年以来、17年ぶりの税率引き上げです。
私自身は消費税増税に反対ではありませんが、やはり世間の消費マインドの低下が気がかりです。

このほか、附則で以下の項目についての経過措置(旧税率の適用)が定められています。
・工事等の請負契約
・資産の貸付
・役務の提供
・旅客運賃
・電気料金
詳細は別の機会とします。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
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税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

カタログギフト

お中元の季節となりました。
虚礼廃止の風潮や経費削減により、大企業では贈らない会社が増えているようですが、お中元というものは頂戴すると素直にうれしいものです。

会社が得意先や取引先にお中元を贈った場合、それに要した費用は「交際費」に該当し、損金算入に一定の制限がなされることになります。
↓以前の「交際費」のコラム↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/134.html

ところで、最近のお中元には「カタログギフト」と呼ばれるものが多くなっています。
カタログギフトとは、貰った人がカタログに記載されている多くの品物の中から欲しい物を指定できるギフトのことを意味し、贈る相手の好みが分かりにくい場合などに重宝されているようです。

このようなギフトを贈った場合は、消費税の処理に注意が必要です。
まず、ビールや果物などの品物を贈った場合には、消費税相当額(5/105)は課税仕入として、納付する消費税から控除されます。
しかし、カタログギフトは商品券・ビール券・旅行券・プリペイドカード等の「物品切手」には該当しないものの、それらと同様に購入時には資産の譲渡等がなされていませんので、贈った時点では納付する消費税から控除される金額はないはずです。(あくまで私見です。)
ただし、品物が届けられた時点では、課税仕入とすることはできますので、期末間際にカタログギフトを贈る場合を除いて、贈った時点で課税仕入としても課税上の弊害はありません。

<2014.11.7修正>
上記の考え方は正しくないようです。
カタログギフトは、商品の発送やカタログの添付等の種々のサービス込みの商品の購入と考えられることから、贈った時点(購入した時点)で課税仕入の対象となるようです。
お詫びして訂正いたします。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
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収入印紙の売買

収入印紙の売買は一般に消費税の非課税取引と考えられています。
しかし、これは正確ではありません。

残念ながら、よく誤解されているのですが、消費税法で非課税とされる収入印紙の売買は、「郵便局・郵便切手類販売所・印紙売りさばき所」での売買だけです。
それ以外の場所での売買の場合、例えば、印紙を転売したり、金券ショップなどで印紙を購入したような場合は、課税取引となるのです。

世の中には様々な事業がありますが、不動産業や建設業などは印紙を使用することが多いのではないでしょうか?
そのような事業の場合、必要となる収入印紙を金券ショップなどで購入することにより、消費税を節税することができます。

<郵便局で収入印紙を購入した場合>
売上  10,500(内税:500)
外注費  5,250(内税:250)
人件費 3,000(内税:0)
収入印紙 500(内税:0)
消費税納税額:500-250=250

<金券ショップで収入印紙を購入した場合>
売上  10,500(内税:500)
外注費  5,250(内税:250)
人件費 3,000(内税:0)
収入印紙 495(内税:24)
消費税納税額:500-250-24=226

上記の設例のとおり、金券ショップで収入印紙を購入することには、消費税の節税効果があります。
しかし、個人的にはあまりお勧めする気はありません。
金券ショップで販売されている印紙の多くは出所が怪しいと言われており、知らないうちに犯罪の片棒を担いでいるかもしれないからです。

これ以上書くと金券ショップの営業妨害になりますので、このあたりで止めておきます。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
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税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

土地の貸付

土地の売買や貸付は基本的に消費税の非課税取引であり、消費税は課税されないことになっています。
しかし、いくつかの例外があります。

①1ケ月未満の土地の貸付
貸付期間が1ヶ月未満の一時的な土地の貸付は、消費税の課税取引となります。

②駐車場の貸付
その駐車場が舗装されていたり、駐車区画が整備されている場合は、施設の貸付として消費税の課税取引となります。

③建物の敷地の貸付
建物とその敷地をセットで貸付ける場合は、土地・建物の賃貸料の総額が消費税の課税取引となります。
これは非常に誤解の多い項目です。
土地・建物それぞれの賃貸料が区分されているかどうかにかかわらず、その合計額が消費税の課税取引となりますので、ご注意ください。


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