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税務調査に「おみやげ」は必要か?

有名な都市伝説があります。
「税務調査を受けるときには、調査官におみやげを用意したほうがよい。」
ここで言う「おみやげ」とは、わざと誤った処理をして税金をいくらか少なく計算しておき、それを調査官に見つけてもらうことにより、それで満足して帰ってもらうことを指します。

この都市伝説は、以下の誤解から生まれたものと考えられます。
①調査官にも、一日当たりの追徴税額のノルマがあるだろう。
②調査官は、何が何でも追徴してやろうと思って調査に来ているのだろう。

特に、①については多くの人が誤解しています。
調査官は、統括官(上司)に一日当たり一定額以上の追徴税額を求められているわけではありません。
調査官は統括官とともに、税務署に提出された決算申告書類から、事前に期間比較や比率分析などを行い、異常な項目を絞っていくことにより、実地調査で具体的に調査する項目を決定します。
例えば、前期以前と比較して修繕費や雑費が大幅に増加している場合には、その内訳・内容について調査することを事前に決定されるのです。
つまり、調査官には、決められた項目について、もれなく調査してくることが求められるのです。

したがって、「おみやげ」を用意しているか否かにかかわらず、調査官はあらかじめ決められた項目をもれなく見ることになりますので、「おみやげ」には全く意味がないのです。


信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)
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