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ゴルフ会員権の売却損(Ⅱ)

前回の繰り返しになりますが、「ゴルフ会員権の譲渡」により発生した損失は、給与所得や事業所得などと通算することができます。
今回は、「ゴルフ会員権の譲渡」に該当しないケースを説明したいと思います。
つまり、以下の場合には、損失が発生しても、給与所得や事業所得などと通算することができないのです。

①会員を脱退した場合
会員を脱退して、ゴルフ場経営会社から預託金の償還を受けた場合は、ゴルフ会員権の「譲渡」には該当しないため、損失の通算はできません。

②預託金がゼロとなった後に売却した場合
「預託金返還請求権+優先的施設利用権=ゴルフ会員権」ですので、民事再生法の申立などにより預託金が全額カットされてゼロとなり、プレー権だけが残ったものは、既に「ゴルフ会員権」ではありません。
したがって、預託金がゼロとなった後に売却した場合は、損失の通算はできません。
ただし、預託金が1%でも残っている場合には、損失の通算ができます。

③プレー権が消滅した後に売却した場合
「預託金返還請求権+優先的施設利用権=ゴルフ会員権」ですので、民事再生法の申立などによりプレー権が消滅し、預託金(一部)の返還請求権だけが残ったものも、「ゴルフ会員権」ではありません。
したがって、プレー権が消滅した後に売却した場合も、損失の通算はできません。

(2012.8.26加筆)
②の取り扱いが変更となりました。
プレー権の内容が変化していない場合は、預託金が全額カットされている場合でも損益通算ができることとなりました。


信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)
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