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古典的手法

某県会議員の公費○○疑惑が話題になっています。
年間200回近い日帰り出張や高額の切手代などが報道されていますが、今のところ真偽は不明です。
ただ、これらは古典的ではありますが、経営者による脱税や従業員による横領でよく使われる手法ですので、今回採り上げることにしました。

<交通費・旅費>
・出張に行っていないにもかかわらず、出張に行ったことにして交通費、旅費の支払があったことを仮装する。
・昔は新幹線でも自動券売機で領収書が出てこなかったことから、領収書は不要という誤解が蔓延している。
・宿泊するとホテル等の領収書の添付を求められるので、日帰り出張を繰り返したことにする。

<切手代・収入印紙代>
・実際に使用する切手や収入印紙の量を大幅に超える購入をして、購入時に費用処理する。
・大半を金券ショップなどで売りさばいて、懐に入れる。
・大手監査法人でも高額印紙で従業員による横領が発生したことがある。

<交際費・飲食費>
・個人的な飲食を事業に必要なものと仮装して、費用処理する。
・場合によっては、架空の領収書や白紙の領収書を飲食店からもらって、精算代金を懐に入れる。

(注)上記の手法は経営者であれば脱税に、従業員であれば横領になりますので、決して実行してはいけません。

もし仮に、某県会議員が出張をした事実がなく、切手を転売していたのであれば、公金を自分の懐に入れたことになります。
県に返還すれば問題がないという人もいるかもしれませんが、そんなことで終わらせるべき問題ではありません。
「人のお金を盗んだが、犯罪が発覚した後でも、お金を返せば許してもらえる。」ということはあってはなりません。

いずれにしても、適切な説明や証拠の提示がなされない限り、彼の政治生命は終わることになるでしょう。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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