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少額減価償却資産の30万円基準

少額減価償却資産とは、減価償却資産のうち、通常取引される1単位の金額が少額なものをいいます。
中小企業者の場合、平成18年3月31日までは、1単位の取得価額が30万円未満であれば全額損金算入可能となり、合計金額についての上限はありませんでした。
平成18年の税制改正により、平成18年4月1日以後取得分について上限が設けられ、合計で300万円までの少額資産(1単位30万円未満)についてのみ損金算入できることとなりました。
この制度は法人・個人とも同じ取り扱いとなっています。
なお、留意すべきことは以下のとおりです。
1.合計額が300万円を超える場合
300万円を超えることとなった資産については、その資産の取得価額の一部が損金算入の対象となるのではなく、全額対象外となります。
例えば、29万円の資産を11単位購入した場合、取得価額の合計は319万円となり、300万円を超えてしまいます。
このような場合、10単位まで(290万円)は損金算入可能ですが、最後の1単位については、10万円だけ損金算入することはできず、全額資産計上し、数期間で減価償却(費用化)していくことになります。
2.平成18年4月1日以後最初に終了する事業年度
平成18年4月1日以降に取得した資産の合計額が300万円か否かで判定します。なお、平成18年3月31日までに取得した資産については上限なく損金算入が可能となります。
3.中古資産
新品の資産に限らず、中古資産でも対象となります。
4.明細書の添付
「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」(別表16(6))の添付が義務付けられました。
平成18年3月31日までに取得した資産については簡便的な記載も認められていますが、別表16(6)にすべて記載した方が簡単です。

大阪市中央区の信和綜合会計事務所
http://www.shinwa-ac.net/

一人当たり5000円以下の飲食費

従来は、法人の場合、飲食による接待交際費は一部(中小企業の場合)または全額について、損金の額に算入できず、法人税が課税されていました。
しかし、平成18年の税制改正により、一人当たり5000円以下の飲食費等であれば交際費から除外できることになりました。
適用に当たっては、以下の5点に留意してください。

1.平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

2.あくまでも、対外的な飲食に限定されます。従って、役員・従業員・親族などに対するものは含まれません。ただ、その法人以外の者に対する飲食であれば問題なく、子会社や関連会社の役員や社員に対する飲食は対象となります。

3.飲食の範囲は、飲食店や料理店に限らず、飲食に付随するカラオケやスナック等の料金も含まれます。なお、飲食接待の際のタクシー代、ゴルフ接待の際のゴルフ場内での飲食は、対象となりません。

4.一軒の支払先ごとに、金額と出席した人数により、一人当たり5000円以下か否かを判定します。飲食店を「はしご」した場合などは、お店ごとに5000円基準の判定をします。

5.以下を保存書類に記載することが必要です。
①年月日
②参加した者の会社名及び氏名、その関係
③参加人数(総人数)
④金額
⑤飲食店の名称及び所在地
これらすべてを元帳に記載する必要はありません。
①④⑤は領収証等を保管することで代用できます。
元帳には従来の記載事項に加えて、③(総人数)を記載することとし、領収証等にすべての参加者の氏名及び所属外社名を記載しておくことで十分です。

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届出期限が平成18年6月30日の経過措置

7月より、平成18年の税制改正についての留意点をコラムにするつもりでしたが、平成18年6月30日が届出期限の経過措置がありますので、取り急ぎお伝えしたいと思います。
具体的には、「事前確定届出給与」に関する経過措置についての留意事項です。
新たに創設された「事前確定届出給与」の制度については、次回以降で詳細に説明するつもりですが、今回は特に、いつまでに届出を行わねばならないかについてのみ、説明します。
この制度における、本来の届出期限は実質的に職務執行の開始日(定時株主総会の日)となっているのですが、経過措置により、その日が平成18年6月30日までに到来する場合は、平成18年6月30日が届出期限とされています。
これに関し、3月決算法人のみが、この経過措置の対象と考えられがちですが、そうではありません。
そもそも、「事前確定届出給与」制度は職務執行の開始の日から終了の日まで(定時株主総会から次の定時株主総会まで)の役員に対する臨時給与の届出制度ですので、期首から定時株主総会の日までに臨時給与を支給しようとする場合には、その前の定時株主総会までに届出を行う必要があります。
例えば、11月決算法人の場合、通常、定時株主総会は翌年1月下旬頃に行われますが、×1年12月に臨時役員給与を支給したい場合には、×1年1月の定時株主総会の日までに届出が必要になります。
特に、平成18年12月に支給したい場合は、平成18年1月の定時株主総会の日が平成18年6月30日以前ですので、経過措置の対象となり、届出期限は平成18年6月30日となります。
ただ、職務執行開始までに確定していたことが前提ですので、非常勤役員に対して、従来より役員給与を年二回払いとしていた場合など、経過措置の適用は限定的になると思います。

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