記事一覧

LED取替費用

先日、LED蛍光灯への取替に関する質問を受けました。

U課長:「今後の費用削減のためLED蛍光灯に替えようと思うのですが。」
原:「投資額は電気代の節約額で回収できそうですか?」
U課長:「私の試算では十分採算がとれそうです。」
原:「LED蛍光灯はまだ下がる可能性はありますが、今後の費用削減が目的であればいいんじゃないですか?」
U課長:「修繕費処理は可能ですか?」
原:「可能です。」
U課長:「全営業所でやると金額が大きくなりますが、それでも大丈夫ですか?」
原:「国税庁が質疑応答事例で公表していますので、大丈夫です。」

固定資産について改良や修理を行った場合、「修繕費」と「資本的支出」の区分がよく問題になります。
修繕費となった場合は支出額の全額をその期間の費用として計上するのに対して、資本的支出となった場合は固定資産の取得として支出額の一部をその期間の費用(減価償却費)として計上することになるからです。
一般に両者は以下の考え方で区分されます。
修繕費:故障や不具合のある固定資産の原状回復費用、通常の維持管理費用
資本的支出:固定資産の価値を増加させる支出、使用可能期間を長くするための支出

上記の考え方からすれば、LEDへの取替費用は節電効果・耐久性の向上のための支出であり「資本的支出」のような気がしますが、国税庁によるとそのようには考えないようです。
「質疑応答事例」によると、LED蛍光灯は照明設備(建物付属設備)の部品の一つに過ぎず、その部品の性能・耐久性が高まったことをもって照明設備全体の価値が高まったことにはならないため、LED蛍光灯への取替費用は修繕費処理が相当とされています。
「質疑応答事例」では、どこまでを固定資産の部品と考えるのかが明確にされていませんが、消耗により取替・交換がなされるものについては部品と考えてよいと思います。

なお、LED蛍光灯への取替と同時に行われる安定器の取替費用についても、照明設備全体の価値が高まったとまではいえないことから、修繕費処理が容認されるようです。

↓国税庁「質疑応答事例」↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/04/12.htm

http://www.shinwa-ac.net/