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平成21年度税制改正

平成21年度の税制関連法案が3月27日に国会で成立し、4月1日より施行されています。
以前より導入が決定していた「事業承継税制」以外は、ほぼすべてが景気刺激を目的とした改正となっています。

個人に関する税金では、
・住宅ローン控除の拡充
・土地譲渡益非課税枠の創設
・ハイブリッド自動車の重量税の減免
などすべてが減税項目となっています。

法人、特に中小企業に関する法人税では、以下の2点が影響の大きな改正となっています。

①中小法人等の軽減税率22%(現行)から18%への引下げ
資本金1億円以下の法人では、所得800万円以下の部分については、現行では22%の法人税が課されていましたが、特例的に2年間だけ18%に引き下げられることになりました。
この特例は、平成21年4月1日から平成21年3月31日までに終了する事業年度について適用されることになっています。

②中小法人等の欠損金の繰戻還付の復活
欠損金の繰戻還付(くりもどしかんぷ)は、前期に黒字で法人税を納付した法人が当期に赤字となった場合、前期と当期の所得を通算して、前期の法人税のうち当期の赤字に相当する部分を還付してもらう制度です。
この制度は法人税法の規定ですが、設立後5年以内の中小企業などの一部の例外を除いて、国家財政の悪化により租税特別措置法で長期間停止されていました。
今回の改正では、繰戻還付が復活するのは資本金1億円以下の法人に限定されており、平成21年2月1日以後に終了する事業年度で欠損金額が生じた場合に適用されることになっています。

参考までに、繰戻還付の設例を挙げます。
(設例1)
前期 所得100万円 法人税納付22万円(22%)
当期 所得△50万円 法人税還付11万円(※1)
※1 22万円×(50万円/100万円)
(設例2)
前期 所得 100万円 法人税納付22万円(22%)
当期 所得△200万円 法人税還付22万円(※2)
※2 22万円×(100万円/100万円)
(設例3)
前期 所得△100万円 法人税納付なし
当期 所得△100万円 法人税還付なし(※3)
※3 前期も赤字の場合は適用なし

どちらの制度も、資本金1億円以下の法人が対象となりますが、適用開始事業年度が異なりますのでご注意ください。
①は平成21年4月決算法人から適用されるのに対し、②は平成21年2月決算から適用されます。


信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)
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