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医療費控除(Ⅰ)

本日(2月16日)より、平成20年分所得税の確定申告の受付が開始されていますが、今回は納税者の方の疑問が多い「医療費控除」について採り上げたいと思います。

医療費控除は、病気や怪我の治療に要した費用を所得から控除できる制度です。
つまり、「医療費控除の対象となる金額に税率を乗じた金額」だけ所得税が減少するという制度です。
よく誤解されるのですが、「医療費控除の対象となる金額」だけ所得税が減少するという制度ではありません。

具体的には、自分や自分と生計を一にする配偶者・親族の治療のために要した医療費から、以下を差し引いた金額が医療費控除(上限200万円)となります。
・医療保険からの入院給付金や健康保険からの高額療養費などで補填される部分
・10万円(所得金額200万円以上の場合)

それでは、どのようなものが医療費控除の対象となるのでしょうか?
一言で言いますと、「治療」のために直接必要な支出が対象となります。
ここで、いくつか問題です。

問題1
かぜをひいたので、薬局でかぜ薬を買った。
問題2
インフルエンザで40度の熱が出たので、やむなくタクシーで病院に行った。
問題3
歯科医院でインプラント治療を行った。

解答1
対象となります。
かぜの治療のための医薬品であれば問題ありませんが、ビタミン剤や健康食品は対象となりません。
解答2
対象となります。
医療機関への交通費としては、基本的に電車やバスなどの公共交通機関の運賃が対象となりますが、緊急性があるなど公共交通機関を利用できない場合は、タクシーを利用した場合の料金も対象になります。
ただし、自家用車を利用した場合のガソリン代は、通院にガソリンを何リットル消費したのかを把握することができませんので、医療費控除の対象とはなりません。
解答3
対象となります。
インプラントなどは社会保険診療項目ではなく自由診療項目ですが、一般に歯科医院で行われている治療行為であることから、医療費控除の対象になります。
ちなみに、金歯の費用も医療費控除の対象になります。

(次回に続く)


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