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とある税務調査(事前準備編)

今回は、税務調査の日程が決まった後の「事前準備」を採り上げたいと思います。

なぜ税務調査の「事前準備」が必要なのか?とよく尋ねられます。

例えば、
・過去の書類の不備を訂正するため。
・過去にさかのぼってあるべき書類を作成するため。
・想定質問に対して、納税者に都合の良い回答を準備するため。
などをお考えの方もいらっしゃっるでしょう。

しかし、残念ながら、上記のいずれでもありません。
税務調査の事前準備は、あらぬ疑いをかけられることを避け、調査をスムーズに進行させるために行うものなのです。
決して、過去の過ちを取り繕ったり、言い訳を考えるために行うものではないのです。

具体例で考えたほうが良いでしょう。
F社の場合、3月21日の税務調査に先立ち、3月9日に会社に訪問して、以下の準備を行いました。
①調査対象期間の帳簿書類(総勘定元帳・補助元帳)は保管されているかの確認
②証憑書類(領収証・請求書・契約書・輸出許可証・インボイスなど)は整理されているかの確認
③銀行関係書類(普通預金通帳・当座照合表など)の保管状況の確認
④株主総会議事録・取締役会議事録の作成・保管状況の確認
⑤金庫や机の中に不要なものを保管していないかの確認
⑥想定される質問に対して、嘘をつかず事実を正しく整然と説明できるかの確認
など。

F社の場合は、特に上記事項に関して不備はなく、準備というよりも確認作業でした。
もうお気づきかと思います。
上記の準備は、普段から行っておくべき事項なのです。
やましい事がなく、日々やるべきことを積み上げていれば、税務調査の事前準備なんて必要ないのかも知れません。


信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)
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