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社会保険料の会計処理

社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は事業主と従業員が折半して負担することになっています。
このうち従業員が負担する部分は給与から天引きして徴収するのですが、その方法には二通りあります。
当月分を当月の給与から徴収する方法(以下、「当月徴収」)と当月分を翌月の給与から徴収する方法(以下、「翌月徴収」)です。

例えば、9月分の社会保険料を考えましょう。
まず「当月徴収」の場合、9月の給与から9月分の社会保険料を徴収し、10月末に会社負担分とあわせて納付します。
これに対し「翌月徴収」の場合、10月の給与から9月分の社会保険料を徴収し、10月末に会社負担分とあわせて納付します。
実務上は「翌月徴収」のほうが多いのではないかと思います。

会計処理としては、従業員から徴収した社会保険料は「預り金」として処理することになります。
また、会社負担分は翌月末に支払うことになりますので、当月分を「未払費用」として費用処理することになります。

少し難しくなりますが、期末には以下の残高となります。
Ⅰ.「当月徴収」
①期末日が平日の場合
・預り金:従業員負担額の1ヶ月分
・未払費用:会社負担額の1ヶ月分
②期末日が休日の場合
・預り金:従業員負担額の2ヶ月分
・未払費用:会社負担額の2ヶ月分
Ⅱ.「翌月徴収」
①期末日が平日の場合
・預り金:なし
・未払費用:会社負担額の1ヶ月分
②期末日が休日の場合
・預り金:従業員負担額の1ヶ月分
・未払費用:会社負担額の2ヶ月分

仕事柄、自分が関与していない会社の決算書や勘定内訳書を見る機会は多いのですが、間違っている会社は意外と多いと思います。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
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